5月の山田錦に続き、今回は「短稈渡船」の直汲み生の登場です。この原料である短稈渡船は、蔵元のある地元滋賀県産の短稈渡船です。蔵元が中心となって3年前から僅か7ｇの種もみを元に、地元での復活栽培を試みてきました。 そして今年初めての本仕込となります。実は渡船は戦前に滋賀県で様々の種類が育種された米で、後にその米が兵庫県で山田穂と交配され山田錦を生みます。市場に出回る短稈渡船の多くは兵庫県産ですので、渡船出生の地で栽培に取り組む例は珍しいと思います。 前回の山田錦同様、直汲みらしく、かなりガス感が強いです。開栓の際はご注意ください。山田錦とは異なる良い意味でのオールディーな香味が興味をそそります。ブドウやメロンのような香りをベースに、オレンジの皮やビワ、杏のような香りの要素も受け取れます。強いガス感とともにふっくらとした適度な甘みがふくらみ、苦味とともにきえてゆく、味わいに起承転結を感じる主張のある味わいです。この良い意味での収斂味を活かしたいです。豆腐やチーズなどのみそ漬け、ゴボウの天ぷら、鶏つくね、今の季節ですとゴーヤ料理などにも合わせてみたいお酒です。 原料米：滋賀県産短稈渡船　精米歩合：60% アルコール度：17.2% 日本酒度：＋8 酸度： 1.7 酵母：9 号酵母 アミノ酸1.3 扁平精米